ハンドクリームの原料となる杉ヒノキが育つ、 みなかみ町の赤谷の森。 この森は20年前から続く 自然保護活動「赤谷プロジェクト」の舞台です。 僕は2015年から活動に参加してきました。 今回はハンドクリームの生まれた森というテーマで、 自分のプロダクトの起源というか 原点、現場で何が起きているかを知ってもらいたいと思い 文章を書いてみます。 先日は赤谷の森にある、 「南ヶ谷湿地」の保全調査へ参加してきました。 毎年この時期は参加させてもらっています。 この時期だけの大切な調査があるからです。 両生類「クロサンショウウオ」の卵塊調査です。 南ヶ谷湿地は地元住民でも殆ど知られていない場所ですが、 両生類にとっては本当に貴重な、 なくてはならない湿地となっています。 そもそも湿地帯は、自然環境の中で極めて重要な存在と言えます。 地球の表面のわずか7%を占める湿地に、 世界の動植物の40%ほどが生息するといわれていますし、 スポンジのように水分を大量に蓄えることができるので 急な豪雨から河川の氾濫を抑える防波堤となったり、 雨が降らない期間も長期間じっくりと水を放流し続けたり 下流の生態系、人の暮らしにとってとても価値のある存在と言えます。 マングローブ湿地は熱帯雨林の4倍もの炭素を貯留していると 言われているので温暖化問題の点でも貴重な存在と言えます。 南ヶ谷湿地は天然記念物に指定される モリアオガエルや、クロサンショウウオの 大切な、巨大繁殖地となっています。 数千の卵塊がこの場所に産み落とされ、その何倍もの命が 巣立っていく場所となります。 水を浸透させにくい「泥炭層」が地面に数メートル体積していることで、 長期間に渡り安定した湿地帯として 水量を維持してきたと考えられているのですが、 戦後の山の過剰伐採や水路の開発によって 徐々に水量は減ってきてしまいました。 そもそも両生類は、水と陸の両方で暮らす生き物なので、 卵を産むのも比較的浅い、陸に近い場所です。 浅い、近いということは、ちょっとした環境変化に弱いということです。 大雨の後の水たまりを池と勘違いして卵を産むカエルも結構います。 幼生(オタマジャクシ)となった後も、池の周縁部に積極的に近づいてきます。 餌が豊富なのかもしれませんが、数センチの水量減少で 簡単に干からびて死んでいきます。 というわけで、
湿地に流れ込む小川を作ったり、 その川が安定して流れ込むように枯れ木を撤去したり、 流れ込む水の水質を改善するために天然のフィルターを設置したり、 地道な作業を15年以上継続し、環境を形成してきました。 これが赤谷プロジェクトの両生類ワーキンググループの活動で、 その評価として返ってくる(帰ってくる)のが成長した両生類、 年々増加する南ヶ谷湿地の卵塊数なのです。 世界の湿地は近年、 急速なペースで消失し続けていると言います。 田舎のホームセンターにもBBQ用に、 マングローブの炭が置いてあります。 南ヶ谷も今年は随分 機械油が浮いていてショックを受けました。 農作業?アクティビティ?理由は不明です。 自然を壊すのは容易い。 しかしたった数名が諦めず活動を続けることで守れる命は多い。 ちょっとした水の引き込みがたくさんの卵を救ったりします。 僕なんかは年に1回か2回作業を手伝いに行くだけですが、 毎月遠方からきて活動を続けているプロジェクトのサポーターの方々がいます。 でも、大変さは感じさせず、むしろ山の花を愛でたり、 池の周りで談笑しつつ、コーヒーを沸かして飲んだり、 自然に身を置く時間を味わいながら、ちょっとずつ、 等身大で続けている。だから続くのかもしれない。 そんな保全活動の姿に毎回胸を打たれます。 自分も自分なりの等身大の保護活動を続けたいし、 これからはもっと広めていきたいと 気持ちを新たにした1日でした。
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11月中旬、東京蚤の市に出店してきました。 木の花、エッセンシャルオイル、森のトイカメラなどなど みなかみの森の恵みを丸ごと持っていきました。 2018年あたりから都内のイベントで出店を始めましたが、これまでのイベントでトイカメラを作ってくれたお友達がたくさん増えたんだなーといつも感動します。昔作ったトイカメラを持って、遊びにきてくれるんです。 この森の広葉樹が、たくさんの人の手に届きますように。
逗子葉山にある、海から徒歩3分ほどのセカンドハウス。 そちらのキッチンにピッタリあうサイズで、 みなかみ産の木材で什器類を製作してきました。 夕食は今回のお客様と一緒に葉山の幸をたくさん堪能。 以前お仕事させて頂いたご近所にお住いのお客様も加わり、 なかなか外出して人と会えない日常のなかで、 思い出深い一夜となりました。感謝。 山桜の天板は倉庫でほこりをかぶって眠っていたものです。 写真のような抜け節は、顧客によっては「欠点」とみなされてこころよく思われないケースもあると思いますが、なるべく「アクセント」として見てもらえるよう気を配っています。 棚は奥利根ヒバで製作しました。上の写真のように綺麗な部分がなるべくオモテに出てくるよう何度も材の配置を確認したうえで加工しますが、
節の他に奥利根ヒバは割れや暴れが場所によっては顕著に出てくるので、あらかじめ顧客に理解して頂くようにしています。 |
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