sumika
  • kousya(工舎)
  • Workshops
    • MORI NO TOY CAMERAについて
    • KINOHANA SUMIKAについて
  • essential oil
  • -food lab.(cafe)-
  • Contact

刻み

〜刻み仕事〜

家作りの、仕込み。

設計事務所の図面を元に、
大工自身が「手板」と呼ばれる図面を書きます。
これは大工にしか、描けません。
手仕事の住宅建築では、
天然乾燥させた無垢の木を使うので、
伐採前の木の生え方、生育環境や、
現状の水分含有率、
木目の向きなど、
あらゆる要素が品質に影響を及ぼします。
だから実際に使われる、
​正にその木と向き合っている大工にしか、
最適な配置(家のどこに、どの木を、どの向きで使おう?)、
最適な木組み(木と木をどのように接合しよう?)は
決められないのです。

木と向き合い、悩みながら、
驚くべき情報量を手板に詰め込んでいくこと。
​手仕事の家作りは、ここから始まります。
Picture

木配りと気配り

Picture
Picture
木の表情、クセを見ながら、
「この家のどこに使ってあげよう?」か決めます。
・完成する家で、人の目が集まる場所はどこか。
・家族の団らんスペースには、こんな木がいいんじゃないか。
・昔から日本では、この向きで木を使ってきた
そういうことを考えながら、木を配り、墨つけが進んでいきます。

​木配りに始まり、そうやって手仕事の住宅建築は、
ちょっとずつの気配りが積み重なって完成します。

手刻みを続ける

Picture
Picture
墨を見て、職人達が刻んでいきます。
刻んだ材の角度や、面の取り方など、
親方から弟子へと、ずっと昔から繋がって来た
技術やルールがあります。
ですが、そういった住宅建築の伝統技術は、
今では殆ど死に絶えてしまいました。

実は日本の90数%の木造住宅は、

大きな切削機械を使って工場で大量生産されたものです。
素材を読み取り、応える技術や、
住み手のための気配りは、
品質管理という言葉に置き換えられてきました、、、
という議題は、我が家に集まる職人さんの、
​酒の席で定番の話題です。
Picture
上は、刻みの途中の写真です。
​写真の穴の位置が少しズレただけで、家は建ちません。
その穴が何カ所もある木材を、何十本とこなすのが、
手刻みという仕事です
。
毎日が張りつめた空気で、皆ピリピリしています。

Picture
ぴりぴりしない犬が、たまに和ませてくれます。
Picture
Picture
Picture
Picture
Picture
柱材の刻みが出来ました。
8角形の柱の刻みは大変ですが、
完成したら、子どもたちが木登りするんだろうなぁと
わくわくしながら作りました。

Picture
Picture
梁材の刻みも完了。一枚目の写真では、
雨水がしっかり流れ落ちるように、
手仕事で勾配を削り出してあります。
一本一本の線に、気を抜かず、手を抜かず。
「誠実な仕事をする」というのが我々のモットーです。
Picture
Picture
Picture
昭和村の託児所の、8角天井の頂点に据え付けられた束です。
町内産の​丸太を自分達で製材して削り出しました。

こうやって作られた材の
一本一本が組み上げられて、
昭和村の託児所になりました。

あとがき

住宅建築の工法は様々ですが、
基本的な流れは二つだと思います。
大きな工場で加圧・加熱・薬品等処理され、
「製品」となった素材を使うか、
自然環境の中で、自然のスピードで
建築資材化した素材を使うかです。
後者を選択する場合、
​自然が相手なので、
​製品の集合体としての建築(前者)では必要とされない
技術、考え方が求められます。

大変ではありますが、
製品化された建築でないことには、
作り手、住み手、ひいては(大げさですが)
文化といった、3者の自由な創造力を守り続ける意義があると思っています。

そんな強がりを信じながら30年近く続けてきた、
手仕事の住宅建築。
後世に伝える意味でも、
これからは少しずつ、発信していければと考えています。

SUMIKA

© COPYRIGHT 2021 ALL RIGHTS RESERVED.
  • kousya(工舎)
  • Workshops
    • MORI NO TOY CAMERAについて
    • KINOHANA SUMIKAについて
  • essential oil
  • -food lab.(cafe)-
  • Contact