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〜刻み仕事〜
家作りの、仕込み。
設計事務所の図面を元に、
大工自身が「手板」と呼ばれる図面を書きます。
これは大工にしか、描けません。
手仕事の住宅建築では、
天然乾燥させた無垢の木を使うので、
伐採前の木の生え方、生育環境や、
現状の水分含有率、
木目の向きなど、
あらゆる要素が品質に影響を及ぼします。
だから実際に使われる、
正にその木と向き合っている大工にしか、
最適な配置(家のどこに、どの木を、どの向きで使おう?)、
最適な木組み(木と木をどのように接合しよう?)は
決められないのです。
木と向き合い、悩みながら、
驚くべき情報量を手板に詰め込んでいくこと。
手仕事の家作りは、ここから始まります。
木配りと気配り
木の表情、クセを見ながら、
「この家のどこに使ってあげよう?」か決めます。
・完成する家で、人の目が集まる場所はどこか。
・家族の団らんスペースには、こんな木がいいんじゃないか。
・昔から日本では、この向きで木を使ってきた
そういうことを考えながら、木を配り、墨つけが進んでいきます。
木配りに始まり、そうやって手仕事の住宅建築は、
ちょっとずつの気配りが積み重なって完成します。
手刻みを続ける
墨を見て、職人達が刻んでいきます。
刻んだ材の角度や、面の取り方など、
親方から弟子へと、ずっと昔から繋がって来た
技術やルールがあります。
ですが、そういった住宅建築の伝統技術は、
今では殆ど死に絶えてしまいました。
実は日本の90数%の木造住宅は、
大きな切削機械を使っ
て工場で大量生産されたものです。
素材を読み取り、応える技術や、
住み手のための気配りは、
品質管理という言葉に置き換えられてきました、、、
という議題は、我が家に集まる職人さんの、
酒の席で定番の話題です。
上は、刻みの途中の写真です。
写真の穴の位置が少しズレただけで、家は建ちません。
その穴が
何カ所もある木材を、何十本とこなすのが、
手刻みという仕事です
。
毎日が張りつめた空気で、皆ピリピリしています。
ぴりぴりしない犬が、たまに和ませてくれます。
柱材の刻みが出来ました。
8角形の柱の刻みは大変ですが、
完成したら、子どもたちが木登りするんだろうなぁと
わくわくしながら作りました。
梁材の刻みも完了。一枚目の写真では、
雨水がしっかり流れ落ちるように、
手仕事で勾配を削り出してあります。
一本一本の線に、気を抜かず、手を抜かず。
「誠実な仕事をする」というのが我々のモットーです。
昭和村の託児所の、8角天井の頂点に据え付けられた束です。
町内産の丸太を自分達で製材して削り出しました。
こうやって作られた材の
一本一本が組み上げられて、
昭和村の託児所になりました。
あとがき
住宅建築の工法は様々ですが、
基本的な流れは二つだと思います。
大きな工場で加圧・加熱・薬品等処理され、
「製品」となった素材を使うか、
自然環境の中で、自然のスピードで
建築資材化した素材を使うかです。
後者を選択する場合、
自然が相手なので、
製品の集合体としての建築(前者)では必要とされない
技術、考え方が求められます。
大変ではありますが、
製品化された建築でないことには、
作り手、住み手、ひいては(大げさですが)
文化といった、3者の自由な創造力を守り続ける意義があると思っています。
そんな強がりを信じながら30年近く続けてきた、
手仕事の住宅建築。
後世に伝える意味でも、
これからは少しずつ、発信していければと考えています。
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